かん館メールマガジンバックナンバー

二上山博物館及び市民図書館では、それぞれの館長(石野博信 博物館長、川上博幸 図書館長)からのコメントや館からの連載記事で構成する「かん館メールマガジン」を毎月1日に配信しています。

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■2008年12月01日(月)  かん館メールマガジン2008/12月号
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┃ ○
┃   ○ 香芝市から 図書館・博物館 館長メルマガ 『かん館メールマガジン』
┃ ○
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━∞     2008.12.1 Vol.39

○ 目次

図書館長マガジン  館長 川上博幸
博物館長マガジン  館長 石野博信 今、古代大和は
香芝市の文化財−39
二上山博物館の行事予定

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//// 香芝市民図書館 館長 川 上 博 幸 ////

12月です。

まず年末年始の開館・休館のご確認をお願いします。

今年が過ぎてゆこうとしています。

皆さんにとってはどんな年でしたでしょうか。

2008年は、世界史の上で長く記録される年になると思います。

なによりアメリカ発の金融破綻が起こり、世界経済が大打撃を受けたことが一番でしょう。

この回復のためには長くかかると思われます。

アイスランドほどではありませんが、当然、日本も大きく影響を受けています。

円高、ドル、ユーロ安が一挙に進行しました。

企業の業績に悲喜が起こっているものと思われます。

私たちの暮らしの影響はそのまま地方自治体にも及んでいます。

経済の原則では、残念ながら、まず弱者が影響を被り、最後にまた弱者が苦しみます。

香芝市民図書館では、この年末・年始の期間に、コンピュータシステムの更新を7年ぶりにします。

移行のための休館を避けようとしますと、この期間しかありません。

コンピュータ会社の人と図書館の関係職員はこの期間出勤する必要があり、ご苦労なこととなりました。

目下、「源氏物語入門」を文学講座として5回、好評開催中です。

「子育て支援図書館講座 子ども・子育て・図書館」(9月から8回)は5日「メディアリテラシー」で終了です。

1月からは「ブックトーク講習会」(5回)が始まります。

小学校などで、テーマに沿って本を紹介するという、子どもと本をつなぐ活動をしてみようという方は、どうか思い切って参加してください。

また、奈良県図書館協会公共図書館部会の催しとして、12月2日(火)から7日(日)まで、広陵町立図書館において、「近くの図書館へ行こう」というパネル展示があります。

今年、非正規職員削減の影響が出て、例年のように活動し、諸事に対処していく点で厳しいやり繰りの年となりました。

先の、小学校へのブックトーク、保健センターにおける「ブックスタート」活動、幼稚園における「絵本の広場」活動、日々の窓口業務を例年のようにこなしてきました。

そんな中、窓口業務の対応では、市民利用者の、お褒めと苦情がわずか、ご意見、ご質問がいくつかありました。

自習室、AV検索(曲名からの有無調べ)、インターネット予約などですが、声は少し減ってきた感じがします。

その中にこういうものが2〜3ありました。

窓口カウンターで本を借りる時に、あることを頼んだら、対応職員が少しもたついたと思ったら、後ろから他の職員が出てきてぱぱっと処理してしまった。

これはどういうことか、というもので、苦情というほどのものではないと思いますが、その方は不快だと言われた。

自分は急いでいたわけではないし、後がつかえていたのでもない、私にどう思うかと聞かれた。

同じようなことを、初老の男性と中年の女性からも言われたことがあります。

手助けした職員は決して悪気はなく、むしろ、速く対処してあげようと善意だった可能性があります。

こういうちょっとした行き違いは常に起こるのですが、本人は気がついていないと思われます。

窓口業務とその対応の難しさといえなくはありません。

窓口で利用者や子どもへ声をかけて余計なことを言っていると、苦情を、本人からではなく閲覧者から私は受けたことがあります。

私に直接ではなく、電話で他の職員を介してです。

相手の言い分は十分聞けず、こちらの言い分は伝えられず、です。

こういうすれ違いが多くなっている気がします。

気のせいかも知れませんが。

図書館のカウンター窓口では、利用者にひと声かけて対応しようと言うことは30年以上前から言われていますが、最近はそれが余計なお世話になっているのでしょうか。

ひと声かけて嫌がる人には無理はせず、応じてくれる人とは会話をして、声を運営に活かそうという考えです。

いまのような(「市民の図書館」活動路線)図書館活動が日本で始まったばかりの頃のことで、アンケート調査をしてもなかなか実態や声をつかみきれないので、生きた利用者から生の声を聞くことを大事にしよう、という試みでもありました。

それが、部外者のその方には耳障りだったのです。

日経2008年4月21日の「インタビュー領空侵犯」というコラムで、作家藤原智美氏は“店員はマニュアル捨てよ”と説いておられます。

それは客のストレスを生むだけ、とあります。

かつての横町の商店街が持っていた、相手の人間的な深い面に切り込まない応対を嘆いておられます。

これから、会話に飢える人はますます増え、銀行、郵便局などでは、大人の会話ができる人を置いて、楽しい会話でお客を引きつけるのが上質なサービスになるのではないか、と言っておられます。

皆さんいかがでしょうか?

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//// 二上山博物館 館長 石 野 博 信 ////

― 今、古代大和は(39) ―
“飛鳥朝の政争と葛城・斑鳩”

先月11月24日、二上山博物館で特別展「聖徳太子と信仰の道」に関する塚口義信さん(堺女子短期大学学長、香芝市文化財保護審議会会長)の講演「聖徳太子登場前夜の政権抗争」があった。

雨にもかかわらず人びとは会場にあふれ、資料の追加コピーと椅子の補充に追われたが、ふたかみ史遊会の役員さんの活躍のおかげで2時間に及ぶ講演は無事進んだ。

「太子が亡くなった年月日はご存じですか?、西暦622年2月22日で、2の連続で覚えやすいですよ。」、

「太子は儒教や仏教をとり入れておられますが、太子と孔子やお釈迦さんとどれくらい年数が離れていると思いますか?」といった塚口さんの語り口は自然と会場の人びとを太子の時代に誘い込んでいった。

飛鳥・奈良時代の天皇家と主要豪族の政権抗争はすさまじく、ややこしい。

話はもつれた糸をほぐすように解説文と系図をくらべながら進んだ。

蘇我と非蘇我系の争いの後者の代表は、広陵町牧野(ばくや)古墳に葬られている押坂彦人大兄皇子(おっさかひこひとおおえのみこ)であり、その子、茅渟王(ちぬおう)は香芝市平野塚穴山古墳に葬られていると、古代人が突然地元に登場した。

その上、茅渟王の子は孝徳・皇極両天皇であり、孫は天智・天武天皇で飛鳥朝の抗争が葛城に飛び火しそうだ。

その間に、蘇我氏と物部氏の間で穴穂部皇子が暗躍する。

穴穂部皇子は、蘇我馬子の妹である小姉君と欽明天皇の子どもで、蘇我系の血統でありながら物部守屋と連携し排仏派として蘇我と対立した。

その後、物部を裏切り、のちの推古女帝に乱暴しようとするなどがあって、ついに587年、蘇我氏によって暗殺されてしまう。

塚口さんの講演をここまでたどってきたのは、実は暗殺された穴穂部皇子は斑鳩・藤ノ木古墳の被葬者の1人だと調査担当者の前園実知雄さん(もと奈良県立橿原考古学研究所、現奈良芸術短期大学)の主張が、11月1日付の産経新聞一面に大々的に報道されていたことを思いながらのことでした。

そして、もう1人の被葬者は宣化天皇の皇子の宅部皇子(やかべのみこ)だという。

私は藤ノ木古墳の調査にかかわったが、被葬者論争には加わっていない。

ただ漠然とは石棺内に一番最初に納められた“鳴子入り剣”と石上神宮の“魂振り神事”とを関連させ、神宮祭祀を司る物部氏系の被葬者を想定したことはある。

それにしても、藤ノ木古墳の2人の被葬者は20才前後の男性とのことであり、穴穂部皇子は生年不明らしいが活躍ぶりからみてそれほどの若者だったか、という疑問がわく。

「今、古代大和は」、何度目かの飛鳥時代の政争に巻きこまれそうだ。

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■ かしばの文化財−39

「恵心僧都誕生之地」石標(良福寺)
 ⇒ 写真 http://kashiba-city.net/cancan/data/tanjyouhi.jpg

(データ)1996年8月調査

所在地 香芝市良福寺168番地

石 材 花崗岩

法 量 縦170.5、横33.0 西面銘彫込内寸 縦160.5、横17.0 (cm)

建立年 昭和9(1934)年4月

揮 毫 望月信享氏(1869-1948)
    …福井県越前市(旧武生市)生まれ。
    大正大学学長等を歴任後、昭和20年に浄土宗管長、京都知恩院門跡となる。

銘 文 3面(東・南・西)あり。東・西面の拓本は本館で所蔵。
    恵心僧都誕生之地(東)
    昭和九年四月建 文学博士 望月信享書(南)
    一空風立三蔵書寫□願爾来茲□□霜□寫□千巻會昭和九□書寫往生要集一部
    于□和僧都遺蹟□□□□/□□香供養見□□聖地巳荒□依之建碑長欲賛嘆聖徳
    北葛□城村住人智識建之  (西)
 *西面銘は彫りが浅く、風化により判読できない文字も多い。

概要
香芝市良福寺に所在する「恵心僧都誕生之地」とある石標である。

昭和9年建立と新しいが、仏教学者望月信享氏の揮毫であり後世に伝えていくべき貴重な資料である。

西面の銘文は浅く彫り窪めた中に、源信の業績を賞嘆する内容のほか、建立者として「北葛□城村住人智識建之」とみえるが具体的には記されていない。

平安時代の学僧、恵心僧都源信(942-1017)は、香芝市狐井・良福寺に生誕地伝承がある。

『往生要集』を撰述し、地獄と極楽を体系づけ、日本における浄土思想を確立し、宗教のみならず政治や文化面においても大きな足跡を残した。

同地に所在する福応寺(狐井)、阿日寺(良福寺)には、幼年期の伝承やゆかりの遺品が残されている。



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■二上山博物館のイベント情報
 金剛葛城地域博物館ネットワーク協議会 第6回共同シンポジウム
 テーマ「住まう・守る 古民家の未来―伝統的家屋の保存と活用について―」
   日時 平成21年1月25日(日)午後1時〜5時
   場所 河内長野市市民交流センター・キックス4F イベントホール
   定員 200名(先着順)、資料代300円が必要。

 スポット展示「マサイとドゴン、そして原始絵画―東西アフリカの民族文化―」
   会期 平成21年2月21日(土)〜3月22日(日)
   会場 二上山博物館・特別展示室
   
*講演会 
   演題「サハラ砂漠の原始絵画と古代日本」 石野博信・二上山博物館館長
   日時 平成21年3月1日(日) 午後2時〜4時
   場所 ふたかみ文化センター2F・第1〜3会議室
   定員 100名(先着順)、当日発行の観覧券が必要。

詳しくは、二上山博物館のホームページをご覧ください。
http://www.city.kashiba.nara.jp/outside/kakuka/hakubutsukan/shisetsu/index.htm

   年末年始休館のご案内
          〜12月27日(土)  通常どおり
   12月28日(日)〜 1月 5日(月)  年末年始休館
    1月 6日(火)〜         通常どおり

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○●ご意見、ご感想をお寄せください
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以下のメールアドレスまでお寄せください。

info@city.kashiba.lg.jp 『かん館メール』係
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○●次回配信日は1月5日(月)の予定です。お楽しみに!
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【 香芝市役所公式サイト 】
http://www.city.kashiba.nara.jp/
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○発行:香芝市教育委員会生涯学習課
奈良県香芝市本町1397番地
0745-76-2001
○企画・編集:二上山博物館・香芝市民図書館
○このメールに掲載された記事を許可なく転載する事を禁じます。
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